「緑工房」開所15周年記念の地域ふれあいデーを開催するNPO法人中途障害者地域活動支援センター理事長 鈴木 やよいさん 北八朔町在住 64歳
利用者と同じ目線で
○…脳血管疾患などの後遺症による在宅の中途障がい者が軽作業や生活リハビリを行う「緑工房」を運営するNPO法人理事長。利用者が地域の中で自立した生活を送ることを目指した活動を続け、14日には15周年を記念した地域交流イベントを開催する。地域住民らに広く活動を知って欲しいと始めたイベントを目前に控え「開所当時と比べて一日の利用者数も増えており、感謝の気持ちを込めて開催いたします」と笑顔。
○…1987年に、緑区心身障害児者福祉団体連絡協議会の会長に就任。中途障がい者が集える地域作業所を作りたいとの声が上がり、物件探しから行政との橋渡し役など、緑工房立ち上げまでの中心的な役割を担った。利用者の年齢制限を70歳としており「生きがいを見つけ、その後の人生にいかしてほしい」と話す。現在は、区社会福祉協議会理事や、防犯指導員としても活動しており、地域でのつながりは深い。
○…生まれも育ちも北八朔町。結婚後、21才の若さで出産した娘が、生まれながらに重度重複障がいを抱えていたことが、地域福祉に関わるきっかけとなった。「娘を見る周囲の目は冷たく感じました」と初めて屋外に連れ出した当時を思い返す。娘の存在を周囲に知って欲しいとの思いから自ら進んで地域住民に対して挨拶をし続けた。コミュニケーションを取り続けたことにより「少しずつ声をかけられるようになりました。健常者と同じ人間として生まれてきた娘が地域で認められた気がした」と当時の心境を打ち明けた。
○…現在は夫と愛犬と暮らす。施設利用者の「笑顔を絶やしたくない」という強い気持ちが根底にあり、利用者の笑顔は自身の活力となっている。これからも、娘に教えられ育てられた経験を生かし、中途障がい者が地域で心身共に豊かに暮らせる社会を目指す。利用者と同じ目線に立って、今後も一歩いっぽ着実に歩き続けていく。
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