10月5日にオープンする横浜市緑区民文化センター「みどりアートパーク」の館長に就任した 藤井 ゆずるさん さいたま市在住 59歳
見えない努力積み重ねたい
○…オープンまで約1カ月。十数名のスタッフたちと開所に向け準備の日々が続いている。「区民の皆様にとって身近な存在になっていきたい。芸術・文化の発信にとどまらず、人と人を繋ぐ架け橋になっていければ」。長年携わってきたプロデュース業の集大成として館長職に取り組む。「開館前後は自主事業も目白押し。様々な企画で楽しんでいただけるよう準備をしているので、ぜひ参加していただきたい」
○…1954年、兵庫県生まれ。小学5年生の時、父親の転勤をきっかけに横浜市に越してきた。「関西の田舎から来た自分にとっては始めて見る都会。皆早口だなあと思ったのが最初の印象だった」。大学で芝居に出会い、劇団の門を叩いた。その後、数々の作品で演出や脚本を手がけ、本格的なプロデュース業に転身。静岡県で県民ホールの自主事業などに携わり、地域密着の面白さを知った。「お客様との距離が近い分、反応もダイレクトに伝わってくる」。学校などホール以外でのイベントも積極的に企画し、外に向け”発信する”仕掛け人として名を馳せた。
○…今でも時間を見つけては舞台観賞に出かける。ジャンル問わず多くの舞台を観るが、「終演後、観客一人ひとりが満足した表情で会場を後にする舞台」に出会うと得もいわれぬ幸福を感じる。「そういう舞台を作るには陰で並々ならぬ努力や準備が必要。大記録を打ち立てたイチローが人知れず鍛錬を積み重ねるように、我々も見えない努力でお客様と向き合いたい」
○…子育て世代が多い緑区の特徴を踏まえ、親子で参加できるコンサートなどの準備を進めている。来春には0歳から観賞できるアコースティックコンサートを実施する予定。「会場に絨毯をひいて、お子さんがハイハイしながら音楽を聴ける演奏会にするつもり。館内にある様々な設備を活用し、多くの人に楽しんでもらえる企画をつくりたい」
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