「江戸の踊りかっぽれ保存会」の会長を務める 福本 祥子さん 長津田在住 86歳
惚れた踊りを次代へ
○…三味線や太鼓の音に合わせて踊る江戸の伝統踊り「かっぽれ」を次代に継承していきたいと活動に励む。「伝統的な音楽や踊りに触れる機会は少なくなった。多くの人の日常に溶け込むよう、伝統を守っていけたら」と優しくほほ笑む。現在は、4月の発表会に向け、稽古の指導に当たる。踊りは、催しや結婚式などの”おめでたい席”で披露されることが多いそう。「自分が打ち込んだ踊りを通じて、様々な人と巡り会えたことが、私の大切な財産です」と笑顔を見せる。
○…東京都台東区生まれ。太鼓や三味線など、日本の伝統的な音楽が身近にあった下町で幼少期を過ごす。新聞に載っていたというかっぽれの公開稽古に出かけたのは、40代半ばの頃。活気のある粋な踊りと音楽。幼き頃の日常が懐かしさと共に脳裏に蘇った。「鳥肌が立った」と振り返り、すぐに弟子入りし、稽古に通う日々が始まった。
○…「亥年生まれだからか、猪突猛進タイプなのよ」という通り、約5年で師範免許を取得。リズムに合わせ体を動かすことが楽しくて仕方なかったという。その後、各地のカルチャーセンターなどで魅力を伝えてきた。2000年に長津田に移り住み、道場を開く。長年にわたり、区内の伝統文化発表会などの舞台で踊りを披露してきた。かっぽれの語源は諸説あるというが”活惚れ”と書くこともある。「自分が計算抜きで惚れ込んだ踊りなのよね」
○…「かっぽれを最初に勧めてくれたのも主人。私が夢中になることを許してくれたのも主人だわ」と長年連れ添った主人への感謝を口にする。歳を感じさせない元気の秘訣を聞けば「好きなことをやることよ。私は、それがかっぽれだった」とにこり。これからもひた走る日々は続く。
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