横浜の街を駆ける夢(下) 「支える」という参加
横浜初の市民参加型フルマラソン。主催の横浜マラソン組織委員会は現在大会運営に関わるスタッフとして、約6千人のボランティアを募集している。ボランティアの仕事は誘導や荷物管理、給水など多岐にわたり、ランナーを支える必要不可欠な存在だ。一方、同組織委は「単にマンパワーとして必要という事だけではない。『走るのは苦手』という人も参加でき、楽しめる大会になれば」と望む。
「ボランティアは支えるスポーツ」と話すのは林秀行さん(41歳・旭区)=写真。同大会ボランティアスタッフをまとめるリーダーの一人だ。林さんが初めてボランティアを務めたのは2009トライアスロン世界選手権シリーズ横浜大会。「走るのは苦手だが、初の地元開催だったので何かしらの形で携わりたかった」と話す。そこで知ったのは選手を近くで支える喜び。「こんな参加の仕方があったのか」と気付いたという。達成感に魅了され、その後もスポーツボランティアを継続。東京マラソンや湘南国際マラソンなど、大規模大会への参加は15回を超えた。レースを円滑に進行させるため、問題点を再現した改善レポートを提出したことも。「ランナーのために何ができるか」。常に念頭にあるのはそんな思いだ。
ボランティアの立場からも横浜でのフルマラソンは待ち焦がれた大会。「地元開催なら、やらないわけがない。待ち望んでいた」と熱を込める。
円滑な運営目指す
未経験者も多く参加することが予想される中、運営側は「経験豊富なボランティアの意見は貴重」と期待。意見を運営に反映させるという。今後は、11月に湘南国際マラソンで現場研修会を行うなど準備を進めていく。また、未経験者も交えた研修会で経験者とのギャップを埋めることも課題の一つだ。「スタッフ同士でコミュニケーションをとることが重要」と林さん。「ランナーもボランティアも『もう一度出たい』と思ってくれれば成功ですね」
(了)
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