横浜市長選へ向けた動きが加速した年明け以降、最大の焦点は現職の林文子氏(75)の進退と自民党の対応だった。
自民は過去2回、林氏を支えたが、今回は高齢などを理由に支援しないことを決めた。しかし、林氏はこれまで進めてきたIR(統合型リゾート)誘致実現にこだわり、自民の支援を得ずに4選への挑戦を決めた。
自民の候補者選びが難航する中、6月中旬、現職閣僚の小此木八郎氏(56)が出馬の意向を示した。しかも、「市民の理解が得られていない」と「IR取りやめ」を主張。これまで市会でIRに賛成していた自民は一瞬で大混乱に陥った。
自主投票 30対6
従来の市議の考えと小此木氏の主張の整合性が取れず、自民は結局「自主投票」を決めた。自民会派の市議36人中30人は小此木氏を、6人が林氏を支援して分裂したことは、山中竹春氏(48)を立憲民主党や共産党などの組織と市民が連携して押し上げ、当選に導いた姿とは対照的だった。
自民幹部は「選挙後はノーサイド」を強調していたが、両陣営からは「必ずしこりが残る」との声が消えなかった。
小此木氏は18万票差の完敗。8月22日、落選が確実になった後、「当選後、IR反対を翻意するのではという市民の疑念を払しょくできなかった」と語った。一方の林氏は「IRを理解してもらうには時間がなかった」と悔やみ、ともにIRをめぐる市民の不信や不満を解消できなかったことを敗因に挙げた。
選挙後、小此木氏支援の市議からは「小此木氏と林氏の票を足せば、山中氏を超えられた」との負け惜しみも。別の市議は「市長選の総括をしないと先へ進めない」と自民幹部の責任を明確にすべきと強く主張。混迷の余波は続いている。
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