川崎市は7月21日、福島県の新聞社・福島民報社から東日本大震災と原発事故をテーマにした絵本「きぼうのとり」115冊の寄贈を受けた。絵本は市内の市立小学校全114校に配布される。
震災の記憶や教訓を後世に伝えようと同社が企画制作した絵本。震災で家族や友人との別れを経験した3人の小学生が、復興に向け立ち上がる姿を描いている。
朗読を通して同絵本の普及啓発をする「きぼうのとり絵本サポートプロジェクト」副代表の笹久保孝子さんが寄贈の橋渡し役となった。復興支援を行う川崎市内団体の代表も務める笹久保さんは「絵本をたくさんの人に知ってもらい、震災について考えてもらえたら」と話す。
川崎市役所第3庁舎で行われた贈呈式で、福田紀彦市長は同社の芳見弘一社長から絵本を受け取った。福田市長は「絵本という形で、後世に伝えていく発想が素晴らしい。子どもたちに絵本の意味をしっかり伝えたい」と述べ、芳見社長へ感謝状を手渡した。芳見社長は「震災から丸10年。自分事として防災と自分や家族、友人の命を守る行動を考えるきっかけになれば」と思いを語った。