市政報告Vol.23 ブロック塀の安全対策 川崎市議会議員 重冨たつや
大きな地震発生後には必ずと言っていいほど、街中の安全性に対して注目が集まります。特に通学路の安全性に対する注目度は高く、川崎市では通学路沿いにあるブロック塀の実態調査を過去に何度か行ってきました。平成9年から11年にかけて、小学校の通学路沿いにある約1万2千件のブロック塀に対して調査が行われました。その結果、734件は倒壊のおそれがあると判定され、撤去に対する補助金制度などを創設し、その後も追跡調査を実施してきたところ平成30年には43件まで減少していました。
大阪北部地震を踏まえて
平成30年6月に発生した地震で大阪府高槻市の女児がブロック塀の下敷きになり亡くなったことをうけて、改めて、通学路沿いのブロック塀について調査が行われました。平成9年から11年にかけて行われた調査方法とは異なる方法でしたが、全市で60件、区内で10件は倒壊のおそれがあると判定されました。この全市60件のうち31件、区内10件のうち4件については先月時点ですでに安全対策等が完了していますので、残りは全市で29件となっています。
忘れられた過去の調査
ここまで2つの実態調査について紹介させていただきましたが、今回、市から提供をうけた資料を確認してあることに気づきました。それは平成30年に新たな調査を行った段階で、以前の調査をうけて追跡調査を継続していたはずの43件については事後調査が十分に行われなくなっていたということです。2つの調査は調査方法が異なっていたため、新たな調査で倒壊のおそれがあると判定された60件に必ずしも43件が含まれていなかったことなどが原因だと考えられます。本来であれば、平成30年の調査結果をうけて、2つの調査結果を統合してリスト化する必要がありました。また令和3年からは新規事業として、ブロック塀の実態調査が年間約450万円かけて別途実施されていました。調査ばかりが乱発され対策が進まないようでは本末転倒ですので、対策の進捗状況について今後も注意深く見守っていきたいと思います。
重冨たつや
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5月10日