市政報告Vol.26 水道料金値上げは秒読みか 川崎市議会議員 重冨たつや
2023年7月21日号でお伝えさせていただきました水道料金に関する続報です。4月19日の市議会環境委員会で新たな報告がありました。昨年6月に市議会に提出された資料では、工業用水道事業(工場などで使用される水道)の収支を安定させるために、一般家庭などで使用される水道の料金値上げに繋がる制度変更を推進するかのように見えるプランが示されていましたが、具体的な収支のシミュレーションなどは示されていませんでした。(当時の記事は下記二次元コード参照)
示された収支計画
今回示された資料では、水道事業と工業用水道事業の収支シミュレーションが示されました。しかし驚くべきことに、シミュレーションの前提条件として、工業用水道事業の収支を安定させるための制度変更がすでに含まれていました。その結果、水道事業の収支シミュレーションは2年前のものと比較して大きく赤字方向にぶれています。工業用水道事業を持続可能なものにすることは重要な行政課題ですが、その一方で、市民に過剰な負担が強いられることは避けなければなりません。また、水道事業関連でこれまで示されてきた収支のシミュレーションは精度が非常に低く、過去の中期計画では5年間で約150億円黒字方向に上振れしたこともありました。もちろん、その5年の間に管の老朽化などで漏水率が高まるようなことはなく、設備投資の資金が不足していたわけでもありません。
今後の流れ
今後は、今回のシミュレーションも踏まえて有識者、関連団体、公募市民などで構成される審議会で議論が進められます。市議会でもさまざまな視点で議論されることと思います。川崎市の水道料金は政令指定都市の中でトップ3に入る安価な水準を維持してきました。「だからこそ多少の値上げは仕方ない」という考え方も一定理解できますが、本当に必要な値上げかどうか慎重に判断する必要があります。早ければ令和8年度からの値上げもあり得るのではないかと考えていますので、私を含めて最寄りの市議会議員にご意見をお寄せいただきますようお願い申し上げます。
重冨たつや
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11月29日