地域の課題解決にむけて活動している中原区区民会議(板倉徹委員長)のメンバーらは12日、小杉地区のJR南武線高架下などで落書き消しのボランティアを行った。この取組みは、同会議が今期の活動テーマとして掲げている「地域コミュニティ、みんなのまちをきれいに」の一環として行われ、約20人が参加した。
高架下にある店舗のシャッター、付近の電柱や配電盤などにスプレーで書かれた落書き。委員らは、落書き消しプロジェクトを進めている市民グループの指導を仰ぎながら、安全性の高い水溶性溶剤とブラシを用い、約15カ所で2時間ほどかけて根気よく作業した。
板倉委員長は「まちをきれいにするための対象の一つが景観。落書きを消す作業の大変さ、現状も知ることができた」と話した。
区内に約850カ所
今回指導にあたった市民グループの村上昭彦さんによると、約3年かけた調査で区内に約850カ所の落書きが確認できたという。
人目につく場所がターゲットになりやすく、村上さんは「景観を守ることはもちろんだが、落書きを放置すれば無関心な街と思われ、犯罪の呼び水にもなる。地域住民が目を光らせているというメッセージが大切」と話す。
一方で課題もある。落書きを消す作業を行うには、対象物の管理者の許可を得る必要があるため、連絡を取るのに時間と労力がかかる上、断られるケースもあるという。また、溶剤などの費用や協力者不足も悩みの種だ。
区民会議では、こうした現状を踏まえ、今回の作業を今後の活動に活かしていくとともに、ごみの分別やマナー、放置自転車対策、「挨拶により区民の心をきれいにする」取組みなど、様々な視点から取り組んでいきたいとしている。
落書きは犯罪
中原警察署生活安全課によると、落書きは器物損壊などに該当し、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金などにあたるという。同署では「落書きを目撃したら110番通報を。対策としては防犯カメラが有効」と呼びかけている。