川崎市が完全実施を計画している中学校給食。食育の充実と生徒の栄養バランスの供給等を目的として導入されるが、実施を前に学校側は給食時間の確保に頭を痛めている。
市内全52中学校のうち、自校で調理する犬蔵中学校(宮前区)と中野島中学校(多摩区)、小学校と合築のはるひ野中学校(麻生区)と東橘中学校(高津区)は、2016年度中に給食を実施する。
実施を前に、昼食を含めた時間割は学校の裁量に委ねられており、授業時間や下校時間なども決まっているため、各校とも時間配分に苦慮しているようだ。
現状は市内のほとんどの学校が、昼食時間20分、昼休みを合わせて35分から40分を設定している。だが、各校とも「給食を実施すれば昼食時間に配膳と片付けの時間が当然必要になる」という共通認識をもっており、実施を前に現行よりも昼食時間を延長するための時間捻出策に頭を痛める。
犬蔵中学校の藤本勇二校長は「現状は昼食20分・昼休み20分に設定している。給食になった場合は、食事に35分は必要。現時点では朝の授業前の読書の時間10分と昼休みを5分昼食に回し対応することを考えている」と話す。
また中野島中学校の樋口安成校長は「17年1月の実施予定で現在は必要な時間等も含めて検討中。先行する東橘中の対応等も参考にしていきたい」としている。 一方、東橘中の山田英児校長も「現状は昼食20分・昼休み20分だが、やはり給食となれば昼食時間は35分は必要。1校時の開始時間を10分早め、放課後の時間を5分遅くすることで捻出する予定。その分職員の朝の打ち合わせ時間が短くなるが、パソコンの活用等で情報共有を工夫して対応したい」と話している。
そんな中、はるひ野中学校の大串一彦校長は「本校ではこれまでも併設の小学校児童と一緒にランチルームで昼食30分と昼休み25分の時間割で対応している。変更なくそのままいく」と話す。
この問題について市教委は「給食実施に関しての課題の一つとして対策を考えていきたい」としている。