「児童に命の尊さを知ってほしい」と上丸子小学校と丸子地区のボランティアで始まった『命の授業』が今年で10年を迎えた。6月16日には、今年度の1回目の授業が行われ、同校6年の児童が乳幼児とふれあった。
『命の授業』は、上丸子小の当時の校長が丸子地区子育て支援推進委員会の青木英光委員長に「子育てサロンを小学校でやってもらえないか」と持ちかけたのがきっかけ。児童が実際に乳幼児を抱きかかえ、遊び、ふれあうことで、命の大切さを学び、いじめや非行がなくなればいいという思いがある。当初は、「児童に赤ちゃんを抱っこさせて、落とさないか心配」という声もあった。しかし、児童が市の保健師の指導を受けることで、正しい抱き方を学ぶほか、爪を切る、髪を束ねるなどのエチケットを実践することで、これまでに事故が起きたことはない。
節目の10年を迎え、青木委員長は世代の繋がりを実感している。「最初は親子で参加していた方が、子育てが一段落して、ボランティアとして参加してくれる。乳幼児だった子どもたちが児童になって授業を受ける。そんな地域の輪が繋がっていくのが嬉しい。今は上丸子小と西丸子小だけだが、将来的には中原区、川崎市と輪が広がってほしい」と話す。