空き缶サイズの模擬人工衛星を打ち上げて技術力などを競う「缶サット甲子園」。昨年全国優勝した法政二高の物理部(顧問/上山勉教諭)が6月、ポルトガル領のアゾレス諸島で行われる国際大会に出場する。
缶サット甲子園はJAXAなどの協力で2008年に始まり、同校が優勝したのは3度目。その昨年の大会では、山岳遭難者の捜索をテーマにGPS機能を搭載し位置確認などを可能にした作品が高評価を受けた。
それでも6月の世界大会で、より高度な課題に挑戦しようと掲げたテーマが「惑星探査」だ。着目したのは世界的に注目を集める宇宙ビジネス。人工衛星に見立てた缶サットを高度1Kmという通常の8倍ほどの高さに打ち上げ、その惑星上の地表や映像など様々なデータを採取し自動制御で手元に戻すプログラム。現在その準備を進めている部長の添田琢人さん(3年)は「技術レベルはもちろん、発想力も世界に示したい」と意気込む。
協賛企業の獲得めざす
大会に向け、もう一つ大きな課題が渡航費だ。一人あたり数十万円かかり、参加部員分となると100万円を超えるという。そのため部員らは協賛スポンサーの獲得を試みているが、4月20日現在で賛同企業は見つかっていないという。上山教諭は「もしご協賛いただける地元企業や団体があれば、名入りのTシャツを着るなどして活躍して貢献したい」と話す。
副部長の相田遼介さん(3年)は「世界で活躍できれば、競技人口の拡大にもつながると思う」と決意をみせた。