梨園のネットに引っかかっていたムクドリが、地域住民の協力によって救助された――。
第一発見者は下小田中6丁目に住む芹田信行さん(71)。7月7日の昼ごろに日課の散歩に出かけ、自宅に帰ろうとしていた芹田さんが、梨園のそばを歩いていた際に、梨の木を覆うネットに引っかかって身動きが取れなくなっていたムクドリを目にした。
梨園には、通りかかった知り合いの住民や若い男女が集まり、「ムクドリを救出するために消防車を呼ぼう」などと対策を話し合っていた。芹田さんは近くの交番に駆け込んだが、梨園の所有者でないと手を出すことはできないという返事を受け、所有者に相談すると、はしごを持ち出して救助してくれたという。
怪我を負っていたムクドリは、芹田さんが愛犬を定期的に見てもらっていた馬場動物病院(馬場智成院長)に運び込まれた。左羽のつけ根に傷があるが、馬場院長は「食欲もあり、元気がある。今のところ順調に回復している」と話す。
野生のムクドリは飼育することができないため、自然に帰すという。馬場院長は「地元の方が鳥を救ってくれて嬉しいですね。普段住んでいる地域の自然を意識しているから救助につながった」と笑顔で語る。元気にしているという報を聞いた芹田さんは「心配していたから、良かった」と安どの表情を見せていた。