川崎市公文書館(宮内4の1の1)では、特別企画展「家が足りない!工都川崎の住宅事情」を開催している。9月30日まで。
町営住宅の写真や都市計画図、年代別の航空写真などを展示。明治時代(1867―1912)には5000人に過ぎなかった川崎の人口が、明治時代末期から始まる工業都市化で急激な人口増と住宅不足に陥り、戦後の復興期にかけて住宅供給に取り組んできた様子を史料でたどる。担当者は「現在は150万人都市と言われるが、それまでには変遷があった。自分の住む町がどのように形成されたか関心を持っていただく機会になれば」と話している。
都市化が進んだ中原町
目玉資料の一つが、市内の個人宅から見つかった「住吉分譲住宅案内」(=写真)。1939年(昭和14年)に官民連携で設立された同社の分譲住宅の案内図で、「都塵を避けた文字通り住みよい理想的の住宅地であります」などと書かれている。26年(昭和元年)に東京横浜電鉄(現・東急電鉄)が開通し、その後、同鉄道などによって郊外住宅地や行楽地として都市化が進めれらていた当時の中原町(現・中原区)の様子を垣間見ることができる。担当者は「町民に配っていた案内図だと思われる。現存しているのは珍しい」と話している。
入場無料。開館時間は午前8時30分から午後5時まで。月曜・祝日は休館(月曜が祝日の場合、火曜休館)。
問い合わせは、同館【電話】044・733・3933へ。