昨年の台風19号で多摩川からの逆流が発生した山王排水樋管。川崎市は山王町や下沼部周辺地域の住民が見守る中、7月31日、電動化したゲートの操作と排水ポンプ車運用の初訓練を公開した。
訓練は1日で4回行われ、タワーマンション住民や周辺町会員ら計30人が見学。電動でゆっくりと閉じるゲートのほか、排水ポンプ車からのホース設置、角落し室と呼ばれる特殊なマンホール内へ排水ポンプ1台を設置する様を確認した。上下水道局の職員からは、停電の場合には発電機を使用すること、新たに設置した水位計の情報は「メールニュースかわさき」で配信することも告げられた。また、監視カメラの映像をネット上で公開することについては今年中を目指すという。
「安心感まだ足りず」
ポンプ車の配置位置や使用した角落し室は本番とは違う場所で行われた。質疑応答では、本番とは違う場所で行われたことについて、住民からの指摘に職員が言葉に詰まる場面もあり、課題が残る訓練となった。
山王町二丁目町会で防災部長を務める本木好幸さんは「疑問や指摘を投げかけても『大丈夫です』という頼もしい答えが返ってこない。我々は安心感が欲しい。シーズンまでにできるだけ早く備えたい」と話した。