取材に応じる石塚社長
２０２１年秋の叙勲が11月３日に内閣府から発表され、半導体レーザー検査装置で国内シェア約80％を誇るアルファクス（株）（下新城）の石塚靜社長（76）が旭日単光章を受章した。「突然の受章で実感が沸かない。多くの方に祝福いただき少し恥ずかしい気持ち」と喜びを口にする。
中学時代から物理が好きで、アインシュタインの相対性理論などの本を好んで読んだという石塚社長。40年前、有線の光回線や車のヘッドライトなど今や様々な製品に使われる半導体レーザーの良否を判定できる装置を開発。改良を重ね性能を伸ばし、今では国内の大手電機メーカー数社が導入するなど業界での地位を確立した。08年には経産省のモノ作り中小企業３００社に選定され、最近はＬＥＤ照明や農業支援システムの開発も手掛ける。「少しでも世の中の役立つことができたのかな。ニッチな産業で長く続けることができたのは、お客様や取引先、従業員ら周囲の皆さんのおかげ」と感謝の思いを示す。
地域貢献にも力を注ぐ。毎年春には同社前の江川せせらぎ遊歩道沿いに咲く桜をＬＥＤライトで照らし、冬には一帯をイルミネーションで彩りクリスマス気分を演出。奉仕活動を行う川崎巽ライオンズクラブでは、創設者の一人として献血などの活動に取り組む。
石塚社長は「事業はそろそろ次世代に引き継いで、人生を謳歌しなくちゃね」と笑った。
その他の中原区内の受章者は14人（敬称略・順不同）。
【旭日章】▽旭日小綬章／渡辺興二郎（73）元山口朝日放送（株）社長〈放送事業功労〉
【瑞宝章】▽瑞宝中綬章／岩瀧清治（70）元九州地方整備局副局長〈国土交通行政事務功労〉▽瑞宝小綬章／表信治（70）元財務省会計センター次長〈財務行政事務功労〉、菊地義雄（70）元川崎市副市長〈地方自治功労〉、西村一徳（71）元国土交通省北海道開発局農業水産部長・元東北農政局次長〈農林水産行政事務功労〉、平野滋（71）元中央労働委員会事務局総務課長〈厚生労働行政事務功労〉、諸冨格（71）元海上保安庁海洋情報部測量船昭洋船長〈海上保安功労〉、渡邉恒夫（73）元九州運輸局海上安全環境部首席海技試験官〈国土交通行政事務功労〉▽瑞宝双光章／前田博明（72）元公立中学校長〈教育功労〉、宗村美江子（65）元国家公務員共済組合連合会虎の門病院副院長兼看護部長〈看護業務功労〉▽瑞宝単光章／鈴木良雄（66）元海上自衛隊印刷補給隊総務科〈防衛業務功労〉、相馬ムメ子（82）元のぞみ保育園園長〈児童福祉功労〉
【危険業務従事者】▽瑞宝双光章／内藤晋二（61）元１等陸尉〈防衛功労〉
