相原町、小山町、小山ヶ丘を管轄する南大沢署の署長に就任した 溜池 繁さん 57歳
社会正義のために若者を導く
○…「滅私奉公ではなく、”立(律)私奉公”の精神であるべき」と警察官の心得を説く。立私とは警官に必要な高い知識技能と強じんな体力・気力を備えるために努力すること。そのためには愛する守るべき家族がいて、どんなに辛くとも癒される場所があることが大切。そして律私は、人として社会規範を守り、警官として内部規律の厳守、規則正しい生活を指す。
○…鹿児島・市来町(現いちき串木野市)出身。中学、高校は剣道に青春を捧げた。「今でも鹿児島に帰ると、高校の仲間たちが集まってくれる。剣道が作ってくれた体力と精神、そして仲間は一生の宝物」とほほ笑む。「だって、みんな血の小便を流した仲間だからな」。高校は進学校だったが、当時の大学は学園紛争で勉強する雰囲気でなく「こんな状態なら就職しよう」と以前から考えていた警察官の道に進んだ。就職を選んだ時、両親に「大学に行きたくなったら必ず自分で行くから」と約束して上京。約束通り、夜間部に通い4年で卒業した。24歳で結婚し「初めての結婚記念日は哲学の補修で何も出来なかったな」と懐かしむ。73年警視庁採用、03年警視昇任、09年大森警察署副署長、10年地域部理事官。
○…署員には立私奉公に続けて、「元気溌剌に、前向きに、そして正直に」と伝え続ける。「社会正義の実現がどれほど厳しいことかを歳を重ねるごとに身に染みてきた。これを若い人たちに伝えることが私たち世代の仕事」。若い人たちを育て、いかに安心・安全の町を実現するかを教える。
○…趣味は剣道。毎朝、署員たちと竹刀を交え汗を流している。現在6段。そしてもう一つの趣味が「ヘラブナ釣り」。30年以上のキャリアで、「深々と降る雪の中でただ竿先を見つめているとな…」と釣りの話になると顔つきがガラリと変わる。その大好きな釣道具も署長就任の前日に全てしまってきた。社会正義を実現するために。
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