和光大学ポプリホール鶴川でクリスマスコンサートを行う 谷口艶子(つやこ)さん 野津田町在住 57歳
「幸せをシェアしたい」
○…「聴きに来た人たちがワクワクしてくれる。歌っているこっちもワクワクする」。誰もが楽しめるクリスマスコンサートを心がけ、本場フィンランドでの体験を歌で伝えて今年で4年目。北欧の魅力を伝えるコンサートや、赤ちゃんから大人までみんなが楽しめるコンサートを主宰する。「障がいのある子やその親御さんたちが気軽に楽しめるコンサートってあまりないの。『みんな』が楽しめるとはそういうこと」
○…自身も障がいのある子の母親。旦那さんとは音大時代に出会った。結婚し、旦那さんの仕事の都合でフィンランドへ。声楽を学びながら子どもを育て、8年近く暮らした。「すごく福祉に厚い国。いろんな恩恵を受けてきたので、ついみんなに紹介したくなっちゃうの」と屈託のない笑顔で話す。
○…実家の洋装店は歌が溢れていた。住み込みの「縫子のお姉さん」たちが流行りの歌声喫茶から帰ってくると部屋で歌うので、それにハモる形で一緒に歌った。「歌は楽しい」。それが原点。ウイーン少年合唱団に憧れ「カタログ見てキャーキャー言っていたわ」。来日するとコンサート会場に駆け付けた。ドイツ語を覚えようと辞書を買ったのもその時。「巻き舌」はそこで覚えた。それは今、フィンランド語の会話や歌に活かされている。好きな言葉は「キートス」。「ありがとう」という意味だ。
○…根っからの楽天家。「3人目を産んだ時からかな。うれしいと思ったの。人生の広がりを感じて」。それから、怒りや悪いことを考えることがなくなったという。福祉施設での子育てサロンの代表を務め、歌で癒しの時間をつくる。「楽しいこと、幸せなことをみんなとシェアしたい」。自宅の一室を開放し『癒しのホッと市』と称して、バザーやコンサートを行うのもその一環だ。「歌える限りずっと歌っていきたいわ」。永遠の歌のお姉さんの人生はまだまだ広がっていく。
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