町田美容組合 訪問美容サービス代表の 金丸 保一さん 原町田在住 68歳
生涯「美容師」としてできることを
○…「自分の技術で人のために何ができるか」。それが自身の美容師人生で常に向き合ってきたテーマ。高齢化が進む現代社会で外出ができない人のための美容サービス「訪問美容」を広めるため組合員をまとめ、また若い世代の美容師にも団結を求める。「社会の変化に合わせて美容室の形態も美容師の活躍の幅も広がる。ただ髪を切るだけじゃない。もっともっと人に喜んでもらいたいんだ」
○…1946年山梨県生まれ。終戦後のモノが少ない時代に遊ぶものはなんでも自分で作った。「木を削ったり、釘を打ったり。あの頃は大工になりたかったな」と手の甲に今も残る切り傷を眺める。美容師の道を選んだのは高校卒業後に上京し、友人の誘いに乗る形で。情報が少ない時代に大工になる方法はわからなかった。「同じモノ作りだからっていう簡単なきっかけ。それがまさかこんなにも最高の仕事だとは」と気持ちのよい笑顔を見せる。”誠心誠意”人と向き合うこの仕事の魅力の虜になり、独立前は休みもほとんど取らなかった。1年に1度だけ海外で美術館を巡り、喫茶店で風景を眺める。それだけでエネルギーが溢れてきた。
○…今一番の目標は2020年の東京オリンピックにビューティースペースを創ること。美容師が様々なネイルやヘアアレンジで選手を彩る。実現すれば大会を盛り上げるだけでなく、若い美容師たちの経験の場にもなるという。「美容師の活躍する立場を守ることが美容組合の役目だし、若い世代に何かを残すのは先輩の使命だよ」と話す。
○…「『サロン』はただの髪を切る場所じゃない。みんなが集まり、いつでもホッとできる癒しの場所でありたい」。できるだけお客さんと触れ合うため、自身の店の多店舗化はしなかった。68という年齢で現場に立ち、多くの常連客を持つ。「美容師の定年は自分が決めるもの。いや、お客さんか」と少年のような笑顔を見せてくれた。
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