町田市民謡協会の4代目会長を務める 勝又 竹時さん 木曽在住 72歳
想い込めた伝統唱法で
○…『わたしゃ外山の日陰のわらび〜♪』…「嫌なことだって忘れられるわよ」とお腹から出る気持ちのいい歌声で哀愁ある曲を歌い上げる。35年の歴史ある会の会長として伝統文化『民謡』を伝承。「先生になるつもりはなかった」と振り返るが今では三味線も扱い、多くの弟子と400人以上の会員をまとめる。先月市民ホールで行われたチャリティーショーも観客の大歓声で締めくくられた。
〇…最初は民謡の「み」の字も知らなかった。家元ではなく、結婚して23歳の時に自分の意思で習い始めた。「テレビの『のど自慢』は民謡の人がいつだって合格だったから」ときっかけを話す。「道楽だ」と当初は反対した旦那さんを振り切る形で始め、気づけば50年。あっというまに民謡の世界にのめりこんだ。本気で打ち込む姿勢に旦那さんも理解し、応援してくれるように。「友だちも増える」「楽器もできる」「嫌なこともスッキリ!」と笑顔。
〇…男1人女7人兄妹の5女として木曽に産まれる。「一番大人しいのが私だったの」。明るくサバサバした今の姿を知る人は皆驚くという。大人しさの原因は、産まれつきのコンプレックスに悩まされていたから。「あの頃は人前に出るのが嫌だったのよね」。そんな消極的な自分を変えてくれたものこそが『民謡』だった。「雨が凄い台風の日。とにかくとっても気持ちがよかった」。初舞台の感動は今でもハッキリと覚えているという。境川が氾濫するほどの豪雨の中、大勢の人が観に駆けつけてくれた。「消防の人には怒られちゃったけどね」とニッコリ。
〇…民謡の他にレクダンス、カラオケ教室など多くの趣味を持つ。20代で自分を変えた趣味との出会いを踏まえ、「なんでも挑戦。色んな経験をするべき」と若い世代にメッセージを送る。そして「リタイア後の人も是非色んなことを挑戦してみてほしい。例えば民謡だってとってもいいものよ」と明るい笑顔で語った。
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