玉川学園の街を紹介するフリーペーパー『玉川つばめ通信』を発行している 宇野津 暢子さん 本町田在住 42歳
親しい友人に手紙を書くように
○…「玉川学園の駅構内には毎年ツバメが巣を作るんです」。嫌がり追い出すわけでなく、巣箱を作る人や、フンの注意喚起の看板が街に溶け込む―。「気持ちのいい街だなって。そんな”鷹揚さ”をいつか発信したいって思っていたんです」。子育てが落ち着いたのを機に、自分の町の人、店を一軒一軒訪ねていく。タイトルは『玉川つばめ通信』。今年4月に創刊した。
○…本業は編集・ライター。雑誌、オシャレ好きが高じて新卒で大手出版社に就職した。「その時は『やっぱり都会がいい!』って」。町田を離れ港区に居を構え、憧れの”シティー派”に。「大変なこともありましたね。疲れちゃった所もあったのかも」。書店への営業、会社に寝袋、全国出張、一通りを経験した後にフリーに転向。子育てもあり、実家に戻った。「小田急線から玉川の街を眺めた時は自然と心が安らいだんですよね」と振り返る。忙しいライター業と並行しての子育ては周囲に助けられたという。自分のできる範囲で学校の役員などにも参加。町で人と触れ合う中で”気持ち”が再燃した。「電車で遠くにいかなくても素敵なことが、人が、『お宝』が、この町にはある」
○…イラストレーターの人件費、印刷代など、苦労したのはコストの面。サポートしてくれたのは「商店会やお店の人、個人の方も協力してくれました」。町を愛する想いは人の心をゆっくりと掴み、広がっていった。「町を歩くと声をかけていただいたり、紙面の印象を話してくれる人も増えてきました。嬉しいです」
○…現在は第5号、発行部数は3000部。「3千人に目を留めてもらえているわけではない。『町を知って欲しい』という気持ちを忘れずに、一人ずつでも少しずつ、結果がついていけば」。親しい友人に”手紙”を書くように町の声に耳を向けペンを走らせる。「もう引っ越しする気はないですよ」
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