11月から子どもたちに向けて楽しいレスリングの指導を町田で始める 岩崎 襟さん 鶴川在住 39歳
「心も身体も強くなろう」
○…「いつかは指導者に」。温めていた夢を叶えるチャンスをくれたのは子どもたちだった。小学4年の長女と年長の次女がレスリングを始めたことがきっかけで、引退以来、久しぶりにレスリングシューズに足を通した。忘れかけていた思いがみるみると湧き上がる。「選手時代、できたこと、できなかったこと。そして何よりも、レスリングが楽しかったことを多くの子どもたちに伝えたい」。地元のスポーツクラブを通し、町田にスクールを開くことになった。
○…自身がレスリングを始めたのは高校生になってから。体が弱く、反対する母親を説得した。「いろいろな習い事もやったけど、レスリングに出合って『これだ』と思いました」。練習はきつく、とても一人では耐えられなかった。それでも同じ目標に向けて一緒に戦う仲間がいたから頑張れた。試合になれば、マットの上では一人。しかし、振り向けば多くの人たちに支えられていた。
○…けして才能があったわけではない。何をやるにも人より遅かった。世界選手権に出場したのは社会人になってから。そんな中、一度目の出場で取れなったメダルを、ケガを押して出場した2度目の舞台でつかんだ。「ケガさえなければ」。嬉しさと悔しさの混じる銅メダル。頂点には立てなかったが最低限の結果を出したことで選手としての自分に終止符を打つ。
○…「今はわくわくしている。レスリングで心も身体も強くなろうと伝えたい」。指導者としての二度目のレスリング人生は明るい。自分にとってレスリングの魅力。それは一言では表せない。勝ち負けや試合に向けた努力、仲間たちとの絆。「やってみなければわからない面白さがある」。今度は教える立場になって、子どもたちと一緒に「その面白さ」を見つけたい。
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