先ごろ、全国書道展で最高評価となる文部科学大臣賞を受賞した 小林 竜雄さん 小川在住 18歳
「わくわく心」が道しるべ
○…作品に使用した文字は平安時代に活躍した書家の一文。その見本のなめらかな書体に惹かれ、「これを書くのは絶対楽しい」と選択。受験勉強と並行しながら練習を重ね、先ごろ、夏前に出展したものが最高評価を得たことを知った。「受賞はラーメン屋さんにいた時に聞いた。うれし過ぎて大声をあげてしまいました」と大人びた表情を一変させ、屈託のない笑顔をみせる。
○…書道は小学1年生から。友だちの親に誘われ、以来、小川の書道教室で学び続けてきた。当初は興味本位。だが学び始めてから1年もしないうちにコンテストで入選するとのめり込むように。「ここはもう少し、かすれを出すかな」――。書いたものを見直し改善を繰り返していく。そんな毎日を楽しめたことが飛躍につながった。「常に楽しいことを、としてきました」
○…一見、しっかりもの。大人っぽいと言われることも少なくないが、高校の書道部ではいじられキャラだったと。入部するつもりのなかった部で友だちと他愛のない話をしながら練習する毎日はかけがえのないものだったと話す。「誘われて2年生から入部したのですが、この部に入って本当に良かった」。パフォーマンスと呼ばれる、壁画のような特大の書を皆で書き上げた時間は一番の思い出だ。
○…夢はTVの撮影スタッフになること。父親がその美術製作にあたっていることから影響を受けた。熱く命がけで演じる役者の魂を視聴者に伝えたいと。そして、リーダーとして皆を引っ張る父親のような存在に、という思いも背景にはある。「大学では夢を叶えるための勉強に集中したいと思います」。父という「見本」を前にわくわくしながら残りの高校生活を楽しむつもりだ。
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