空間デザイナーで、まちだ青城祭の竹灯りイベントをプロデュースした 志村 雄逸さん 南大谷在住
光を操り空間を彩る
○…地域課題をアートで還元--。空間デザイナーとしての手腕を請われ、声がかかった。「こんな竹林があるとは知らなかった」。4月に視察で小野路の竹林を訪れ、採りたてのタケノコを食べさせてもらった。「竹はこれまで扱ったことがなかったけど、いいよね。SDGs的にも」。放置竹林の整備を進めるさまざまな団体の思いがつまった竹灯籠。みんなが一生懸命作った作品を一番いい形で披露したい。それだけを考えた。
○…生まれは岩手県花巻市。中・高は部活のサッカーに燃えた。美術やデザインも好きで、進んだ千葉大工学部で工業デザインを学ぶ。専門はディスプレイデザインや空間デザイン。「少人数の研究室で、密度の濃い学びがあった」と振り返る。教授や研究室仲間とは今でも交流がある。
○…就職し、展示会やショールームなどの計画・設計を手掛けるなど多忙な10年間を送る。個人の創作活動に注力できる環境・待遇を求めて転職。ソニーでは週3日間働き、他は個人の活動に充てさせてくれた。「当時では珍しい働き方だったね」。店舗デザインなどの会社の仕事も楽しかったし、個人で都内や海外でパブリックアートやライトアートなどにも携われた。「あの時間があったから今がある」
○…大学の講師として呼ばれ、人に教える楽しさを知る。22年間務めたソニーを退職し、玉川大学では教授として学生を指導。町田マルイのショーウィンドウのディスプレイ制作など、実践的な授業を行った。退官した現在も後任のサポートや、自身の会社で、創作活動に勤しんでいる。妻は絵本作家。30代の二人の息子もそれぞれデザインの仕事に就き切磋琢磨。時間ができた今、ものづくりの楽しさを広めることに注力している。
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