南足柄市はこのほど、災害への心構えや危険箇所などを一冊に収録した「防災ハザードマップ」をつくり全世帯と事業者にポスティングなどで配布した。ハザードマップは2011年以来の大幅刷新となった。
いのちの一冊、市内全域に配布
15年の鬼怒川堤防決壊や16年の岩手県岩泉町の河川氾濫などを踏まえた国の対応や、今年3月の県が公表した酒匂川の浸水想定区域の見直しなど、最新情報を盛り込んだ。
加えて、職員が地域に足を運んで収集した1948年のアイオン台風の被害状況なども掲載する実用的な読本となった。
従来は、洪水と土砂災害に特化した大判1枚で全市を網羅していたが、今回は市内を北足柄、南足柄、福沢、岡本の4地区に分けて、地震や風水害などの自然災害を地域に特化して知ることができるほか、弾道ミサイル落下時を想定した基本情報も盛り込んだ。
地域ごとに収録した地図には、指定避難所や防災無線子局、ヘリポート、消防団施設などの【1】「防災関係施設」のほか、土石流や崩壊、地すべりが想定される【2】「土砂災害警戒区域」、下水道の排水能力を超えて起こる内水氾濫と河川の氾濫による外水氾濫の最大浸水深を色分けした【3】「浸水想定区域」、酒匂川の氾濫や河岸侵食による【4】「家屋倒壊等氾濫想定区域」を収録。さらに過去15年ほどの間に報告された床上・床下浸水の場所も掲載した。
市から発信する防災情報の収集の仕方や気象情報、防災気象情報、特別警報の解説、風水害や土砂災害への備え、震度分布図や被害想定も収録した。非常時の持ち出し品や備蓄品の準備、避難のポイントも解説し、今後は英語版、中国語版、ポルトガル語版、韓国語版にも対応する。
市総務防災課は「台風シーズンに間に合わせ最新の情報を収録する冊子型の読本として刷新した。配布漏れが無いよう手配したが万が一お手元に届いていない場合は市まで知らせてください」としている。
問い合わせは南足柄市防災安全課【電話】0465・73・8055へ。
共有が重要
市は19日、市内34自治会が2人ずつ選任している「自主防災リーダー指導者」を対象にした講習会を市役所で開き、全面改訂したハザードマップの地域での活用方法を解説した。
この日は、冊子作りを担った市の担当者がハザードマップを全面改訂した背景や内容について説明し、地域での活用方法などについて参加者がグループに分かれ意見を交わし、活用方法の方針を見出した。
地域の課題を各自が把握して、地域で共有することで連帯感が生まれ、信頼関係構築にも役立つことが重要、との意見が多く出されていた。
市の担当者は「自治会などから要望があれば市から積極的に出向いて説明したい。防災の日(9月1日)も近いので、ぜひ関心をもっていただき一読してもらいたい」と話している。
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