足柄版 掲載号:2018年2月17日号
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山北と川崎の“水源地関係” 未来の酪農家が懸け橋に 山地酪農で「本来の姿に」 島崎薫さん

社会

山地酪農が始まる大野山山頂(右)、菌打ち体験に使うクヌギ(手前)=山北町立共和のもりセンター
山地酪農が始まる大野山山頂(右)、菌打ち体験に使うクヌギ(手前)=山北町立共和のもりセンター
 大野山で「山地酪農」を始める山北町皆瀬川の島崎薫さん(28)が9日、武蔵小杉(川崎市中原区)で開かれた「こすぎの大学」で酪農と山の保全について講演した。

 山北町と川崎市は「山と川」で結ばれている。最新のデータでは川崎市で使用される水の51%が酒匂川から供給される水ともいう。足柄平野を流れる酒匂川の河口には飯泉取水堰(小田原市)があり、1日最大156万立方メートルの水が地下水道管から川崎や横浜へ送られている。

 島崎さんが酪農を始める山北町共和地区には酒匂川水系の皆瀬川が流れ、NPO共和のもり(井上正文理事長)が中心となり川崎市と交流を深めてきた。間伐や植林、シイタケの菌打ちの体験やジビエ料理などを通じて山への理解を深めてもらい、都会の小学校では出前授業も開く。先ごろ、川崎市の「木材利用促進フォーラム」にNPO共和のもりが登録され、虫食いなどで価値の下がったスギやヒノキを高価値化するベンチャー企業との研究交流も始まった。

 こうしたなか武蔵小杉のまちづくりを考える「こすぎの大学」に招かれた島崎さんは、牛舎で輸入穀物を与える酪農ではなく、山の下草を食べてのんびり暮らす健康な牛から搾乳する「山地酪農」の仕組みを解説。「水源地の山が本来の姿を取り戻すきっかけにもなる」と語りかけた。

 島崎さんは「山地酪農を知ってもらうだけでなく、山北と川崎のさらなる交流につながれば」と話し、島崎さんを講師に推薦した川崎市の三浦淳副市長は「山北から多くのことを学ばせて頂いている。繋がることで互いの価値が発現する」と、今後の交流促進に期待を寄せている。

山地酪農について話す島崎さん=川崎市中原区役所
山地酪農について話す島崎さん=川崎市中原区役所

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