パナック工業(株)と(株)下田組が共催する火山灰体験の防災訓練が9月13日、南足柄市広町のパナック工業足柄工場敷地内で行われた。地震、火事、水害等の訓練は珍しくないが、火山灰被害について学ぶ試みは稀で、参加者は興味深そうな表情で取り組んでいた。
当日は富士山の噴火を想定して実施。鹿児島県から桜島の火山灰800キロを取り寄せて行った。
会場となったパナック工業足柄工場に6つのブースを設置。「運ぶ」では火山灰を土嚢袋に入れて実際に重さを体験し、火山灰の上を「自転車」で走ってみた。火山灰に「触れる」体験をし、「付着」では乾いたTシャツと濡れたTシャツでの比較をした。「歩く」では乾いた灰と濡れた灰の違いを感じ、富士山噴火の「動画」を見て、火山灰がガラス質であることを顕微鏡で確認した。
「歩く」のブースでは「濡れた火山灰は吸盤みたいだった」「乾いた火山灰でも足を持っていかれる」などと参加した同社従業員から感想が聞かれた。
訓練後は、足柄の歴史再発見クラブが発行している「新編・富士山と酒匂川」が配られた。
同社の中村昌一郎社長は「いつかは起こる災害だと想定してこの訓練を行いました。目で見て、手で触って、災害が起こったらどうするか、皆さんで考えてみてほしい」と訓練の冒頭であいさつ。貴重な機会と捉え、訓練の模様をビデオ撮影し、希望があれば役場、学校などに無償提供する意向を示した。また、下田組は以前にこの訓練を行っており、当日参加した下田明宏営業部長は「この訓練を活かし、頭の中で考えながら、自分の仕事、生活につなげてほしい」とあいさつした。
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