山北町共和地区の旧共和小学校で17日、ソバの脱穀作業が行われ、地域の住民11人が参加した=写真。
脱穀したソバの実は共和財産区が所有する山の斜面約7ヘクタールで栽培され、今月10日から14日にかけて収穫された約45キロ。
今年8月末に種を植え約1トンの収量を見込んでいたがイノシシやシカの被害に遭うなど大打撃を受けた。何とか収穫できた分をこの日、脱穀した。
林業の基本
共和地域ではかつて、山林の木を伐採した後や雑木の原野を切り開いた後に切株などを焼き、その灰を肥料として穀類(ソバやヒエ、アワ、ダイズ、アズキなど)を栽培する刈畑(焼畑)農業が盛んだった。
この耕作は林業の一環として1年限りで行われ、収穫の後に植林をして山を再生させてきた。本来はその循環が林業の基本にあるが「近ごろは林業そのものが衰退したためほとんど目にすることがなくなった」と、参加者の一人は話す。
募る危機感
そうしたなか、地域の山林再生の活動に取り組む共和地区の振興協議会や地元のNPOが中心となり、昨年秋に財産区の雑木林を開拓して焼畑を行い、初めてソバ作りに臨んだ。
旧共和小学校の廃校舎を拠点に森の保全や下流域との体験型交流事業に取り組むNPO法人共和のもり理事長の井上正文さん(70)=山北町皆瀬川=は「昔はソバを作ってもキジがつまむ程度だったが、山の奥でエサが不足しているからイノシシやシカが里まで降りてくるようになった。今回もその影響が大きい。エサとなるクヌギやコナラなどの植林活動が急務」と、山への危機感を募らせている。
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