文教大学湘南キャンパス(茅ケ崎市)に通う学生グループがこのほど、2年がかりで通った大野山一帯の山北町共和地区を紹介する手作りマップを完成させ、町内各所の協力を得て配布を始めた。
ハイキングコースでもある共和地区のマップをつくった学生は、同大で観光を学ぶ花坂拓人さん、今井未来さん、前田凪沙さんの4年生3人ら7人。
2年次の授業で2013年9月から半年にわたり、山北町共和地区の課題を学び、地域への関心を深めた。
授業が終わった後も大学の育英制度を使い、4年生の3人を中心に同地区の地域活動に参加。その成果物として今回のエリアマップをつくった。
2500部手折り
一昨年の11月、80世帯が暮らす限界集落にある旧共和小学校で、地域の住民と学生がワークショップを開いた。畳8畳分の地図をもとに古道や石碑、歴史など「地域のおたから」について詳しく聴き取り、地図づくりに役立てた。
共和地区の自然、文化、人々の暮らしをカレンダーにまとめ、地区内にある2件の飲食店も紹介し、地域の素朴さを伝えるため手書きでの作成にこだわった。
A3サイズに印刷したマップは1枚ずつ手作業で四つ折りにして持ち歩きやすくした。町役場や町の観光協会、町で知り合った店などに直接足を運び配架を依頼すると、店主らがフェイスブックで取り上げるなど新たな交流も生まれた。
それぞれの進路
横浜市戸塚区、茅ケ崎市、横須賀市とそれぞれ違う地域に住む3人は、岩手、群馬、神奈川と出身地もさまざま。
群馬県沼田市から上京し、入学当初はキャビンアテンダントを夢見ていた今井さんは「故郷の風景と似ていた」と、町に好感を持った。就職活動では役場の受験も考えたが、大学院へ進み学びを深めることにした。「もっと勉強して、いずれ山北の地域振興に役に立ちたい」という。
リーダー役の花坂さんは戸塚から共和地区の古民家に引っ越し、4月から行商のアルバイトをしながら共和地区のNPO法人で働き、大野山周辺の活性化に社会人として参加する。
前田さんは医療法人への就職が決まった。「山北では非日常を味わえた。近くにあるのでこれからも足を運びたい」としている。
後輩は「木」に着目
3人が通った共和地区には多くのハイカーが訪れる。「駅前に大野山への案内が何もない」と不思議がり、地域の人、暮らしに触れるなかで「もっと知ってもらいたい」と考えマップをつくった。
3人の後輩は「材としての価値が低い」とされる地域の木材を活用する取り組みを始めている。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
足柄版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|