開成町で富士山の噴火や酒匂川の氾濫の歴史などを調べている『足柄の歴史再発見クラブ』が、新刊となる『新編富士山と酒匂川』を刊行する。12年前の旧刊から現在までに震災や水害などが頻発し、社会情勢も変化。2年前から新刊の構想を練り始め、ようやく完成に至ったという。
足柄の歴史再発見クラブ
同クラブは2006年2月に発足。民間企業のOB、高校教師、小学校の元教諭、古文書調査員ら20人で旗揚げし、歴史の専門家ではなく「素人集団が新鮮な視点で歴史を再発見するクラブ」と小林秀樹会長は話す。発足から翌年、手始めに足柄歴史新聞『富士山と酒匂川』を刊行し、開成町、南足柄市、大井町で将来を担う子どもたちに出前授業を展開して伝承するなどの活動に努めてきた。
今回の新編刊行については、2010年9月の酒匂川流域集中豪雨など地域で水害が頻発した事実が伝えられていないこと、東日本大震災をはじめ大災害が多く、災害列島の様相を呈してきたこと、富士山の噴火への関心が高まり、首都圏でどのような対応をとるべきか検討が開始されたことなどがあり、2017年から構想を練り始め、このほど編集作業が完了したという。旧版と同様に小学校4年生の郷土学習に活用できる内容で、図表や絵画、写真をふんだんに使ってわかりやすくし、近代から現代までの酒匂川流域の災害の歴史記述に力を注いだ。
クラブとしては今後、旧版と合わせて活用し、出前授業の充実を図る方針。学校だけではなく、大人向けに地域の防災教育にも取り組む構えだ。ダイジェスト版を作成し英訳を進め、国際観光ガイドブックにも活用できるようにし、関東大震災と酒匂川流域の被害についても研究を進めていくという。
29日新編刊行記念会
同クラブでは、新編刊行記念会を6月29日(土)、午後1時30分から足柄上合同庁舎本館5階東側大会議室で開催する。記念講演として「だれでもわかる富士山噴火のしくみと備え」と題し、神奈川県温泉地学研究所の主任研究員・萬年一剛さんが登壇する。執筆者による記念トークショーも行われる。問い合わせは同クラブ【FAX】0465・82・4494小林さんへ。【メール】arcshinpen1906@gmail.com
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