あしがら写中 Vol.44
相和地区の教育旅行について▽大井町相和地区は富士山と丹沢、大山、相模湾を望み、自然や地形が古代を醸す里山。拠点施設の「四季の里」には農産物や加工品の直売所があり、ピザ窯も畑も、温泉もある▽土地利用を厳しく制限された里山に開発の余地がなく、大規模なハード事業で流入人口の拡大を図るわけにもいかない。そこで役場と地元が考えたのが「宿泊型農村体験」としての地域活性化だ。30代の農園経営者が中心となり全国で地域振興の実績をもつ産学と連携し、沖縄型の「教育旅行」をめざしている。宿泊先となる民家、いわゆる民泊先は2年間で12世帯に増え、受け入れ体験の実績を積んでいる▽沖縄県南部で1泊9950円、3市3町の圏域を巻き込み一度に360人を受け入れる民泊先をつくった専門家は「2年間で12世帯は順調」と太鼓判を押し、周辺市町との連携も視野に入れる。農業や食育、地域学習、自然体験などのメニューも含む「教育旅行」には経済効果のほか人々の活力を生み出す要素があるともいう。相和地区の今後に注目したい。