師岡熊野神社(石川正人宮司)で14日、今年1年の農作物の出来や世の中を占う「第1065回筒粥神事」が行われた。
大釜の中に27本の葭の筒と米を一升入れ、本殿裏にある「の」の池の御神水を加えて炊き上げる。石川宮司が葭を引き上げ、筒の中に煮られた米の粥がどれだけ詰まっているかで吉凶を占う。天暦3年(949年)から綿々と続く神事で、今回で1065回目。横浜市の無形民俗文化財にも指定されている。
好天に恵まれながらも、厳しい寒気に包まれた当日だったが、氏子や地域住民など多数の観衆が集まり、占いの行方を見守った。石川宮司が炊き上がった筒を開き、「大麦-半分」「小麦-三分」「わせ-三分」「粟-七分」「大豆-十分」「小豆・十分」「蕎麦・三分」「かいこ・半分」「茶・半分」などと農作物の出来を次々に読み上げていった。
例年もっとも注目される「世の中」(景気)の吉凶は「十分」で、観客から「オー」と喜びの声が上がった。
石川宮司は「厳しい寒さのなか、この伝統ある神事に足を運んでいただき、ありがとうございます。今年1年が皆様にとって健康で穏やかな1年になることを心より、お祈りしています」と笑顔を見せていた。
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