川崎市内17カ所 災害時の一時滞在施設に 帰宅困難者対策として
災害時の帰宅困難者対策の一環として川崎市はこのほど、市内の主要ターミナル駅周辺の公的な17施設を一時滞在施設に指定した。高津区内では生活文化会館や図書館など、計6ヵ所の施設が指定された。
東日本大震災が発生した2011年3月11日には川崎市内でも大勢の帰宅困難者が発生した。市によると、当日、市内の各施設に一時滞在した帰宅困難者は、近隣からの避難者と合わせて5500人に達した。
これを受け市では、災害時にむやみに移動しないという原則のもと、一斉帰宅の抑制などにより、帰宅困難者を発生させないための施策を重視した対策を進めている。
一時滞在施設の指定条件は▼主要ターミナル駅から直線距離で2Km前後までの施設▼耐震化済み、もしくは耐震化の必要なしと診断された建物▼地震災害時の避難所等として指定されていない施設▼延床面積が1千平方メートル以上の建物――となっている。対象となったターミナル駅は川崎駅、武蔵小杉駅、武蔵溝ノ口駅、登戸駅、新百合ヶ丘駅。
今回、第1次として指定された17施設の受け入れ可能人数は計約8500人。一時滞在施設は災害発生時、建物や周辺の安全が確認できた後、主要ターミナル駅の滞留者の状況に応じて順次開設する。指定施設の情報は市ホームページに掲載される。
今後は民間施設等にも協力を呼びかけ、指定施設を追加していく計画。一定数が集まり次第パンフレットを作成し配布、または駅に置くなどの周知活動を行う構想もあるという。川崎市地域防災計画の資料にも記載する。
市ではまた、帰宅困難者対策が円滑に進むよう、交通事業者や警察署、消防署、一時滞在施設、商店街、学校、区役所等による協議会組織の設置を各区で検討するとしている。
区でも「想定外」に対応
東日本大震災当日は区内でも多くの帰宅困難者が発生。大規模停電と合わせ、行政や警察等をして「想定外の事態だった」と言わしめた。震災の教訓を活かそうと、2011年11月には区役所や警察署、消防署、鉄道事業者、民間施設等により構成される高津区防災ネットワークが発足した。
区では同協議会組織の設置検討について、交通事業者や警察署、消防署等からなる区防災ネットの分科会で進める方針だ。
今回、区内で一時滞在施設に指定されたのは川崎市生活文化会館、川崎市立高津図書館のほか、川崎市高津市民館、川崎市総合教育センター、川崎市大山街道ふるさと館、川崎市子ども夢パーク。
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4月26日