地域ぐるみで子どもたちの教育などをサポートする川崎市の「地域の寺子屋事業」が各区で試験的に行われている。高津区では久本小学校をモデル校に10月からスタート。実施団体はNPO法人高津総合型スポーツクラブSELF(以下SELF)が務める。他区の寺子屋と比べて独自色の強い、ユニークな内容になりそうだ。
「地域の寺子屋事業」は福田紀彦市長の選挙公約の一つで、地域による子どもたちの学力向上や豊かな人間性の形成などが目的。市教育委員会の担当者は「モデルで問題点や課題を洗い出し、来年度以降の実施につなげたい」としている。
寺子屋は週1回平日放課後1時間の「学習支援」と月1回の「体験活動」で構成。内容は各実施団体が決める。市教育委員会によると高津区以外の6区の「学習支援」の内容は、地域の住民らが先生となり、国語や算数などを教える内容が中心になっているという。
一方、高津区の久本小では、1カ月ごとのテーマにそった複合的な学習を展開する。例えば10月は「私たちの街 高津を知る」をテーマに「川崎の産業と産物=社会・理科」、「高津に伝わる民話=国語・社会・道徳」といった授業を行う予定。
目標には「思いやりがあり、積極性・リーダーシップのある子ども、学校での学力以外に総合的な学力がある子どもの育成。郷土を知り、郷土を愛せる子どもの育成」を掲げた。保護者アンケートの結果から寺子屋には学校以外の基礎学力やコミュニケーション能力の形成などが求められていることが分かったからだ。
SELFスタッフの林俊行さんは「寺子屋は学校の授業の補完ではないと思う。勉強を教えるのではなく、好きになってもらうきっかけをつくりたい。モデルなのでチャレンジしてみたい」と話す。
久本小の飯沼索校長は「地域特性としてマンション住まいが多く、川崎生まれの子どもが少ない。自分の住むまちを知ることはアイデンティティの形成にもつながる」と期待を込める。
ボランティア募集
寺子屋への参加は希望者による登録制で、現在170人ほどの児童が参加を希望しているという。そこでSEFLでは寺子屋の運営に協力してくれるボランティアスタッフを募集している。問い合わせは【電話】044・833・2555へ。
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