高津警察署(古宮忠男署長)はこのほど、2015年に管内で発生した人身事故件数をまとめた。人身事故件数は前年より159件少ない503件、減少率24%は県内トップとなる。同署は「事故の分析と時間と地点に絞った警戒が奏功した」という。これにより川崎市内8署中、10年以上続いた「人身事故件数ワースト1位」を返上した。
内訳は二輪車168件(前年比21件減)、子ども51件(同18件減)、高齢者133件(同21件減)、自転車134件(同69件減)で、全項目で前年より下回っている。高津警察署交通課は「事故が多発する道路、時間帯、曜日を割り出し、重点的に取り締まりやレッド警戒(赤色灯をつけたパトロール)、駐留警戒を増やしたことが減少率の高さにつながっている」と分析している。
発生事故の傾向を分析
高津区は平坦な地形から自転車人口が多く、道幅が狭いことも要因となり交通事故多発地域となっている。過去10年、市内8署の中で人身事故件数は最多。
こうした状況を踏まえ、同署は昨年、事故の実態把握と分析に取り組んだ。2014年1月から15年6月30日までに管内で発生した人身、物件事故件数・全5541件の日時、曜日、場所、車種、性別、年齢、天候などを調査し、事故が起こる傾向を分析。これを基に「246号線」「409号線」「尻手黒川線」「南武沿線道路(小杉菅線)」「鶴見溝口線」の各幹線道路で事故が起こる時間帯や地点を割出し、集中的に取り締まりやレッド警戒を行った。
この結果、幹線道路で最も発生件数が多い246号線は前年22件減の72件。南武沿線道路は前年の半数以下の20件となった。同時に一般市道の件数も前年2割減の217件となった。
同署は「幹線道路の警戒強化をすることで運転者の安全意識につながり、一般道の発生件数の抑制につながったのでは」と分析する。
死亡件数は前年増
一方で死亡事故は前年比1件増の3件。交通量の少ない夜間や早朝に発生している。「スピードが出やすく視界も悪い。運転者はもちろん、歩行者もより一層注意してほしい」と話す。
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