今年度から丸子地区少年野球連盟の本部長に就任した 石井 彰さん 上丸子山王町在住 63歳
全ては「子どもと地域のため」
○…本部長への指名に当初は、「偉大な先輩方の跡を継ぐのはとても重責だし、遠慮の思いはあった」と言う。しかし、「おまえしかいない」の一言で決心を固めた。連盟は約50年の歴史を誇り、毎年春と秋に開催する野球大会は今春で第86回を数える。「これまで築き上げてきた地域の伝統をしっかりと受け継ぎ、子どもたちに残していきたいね」と笑顔で語る。
○…30数年前、脳梗塞で倒れた父を自宅で介護しながらも3児の父親として子育てに励み、都職員の仕事に汗を流した。それでも「自分を育ててくれた地域に恩返しをしたい」と買って出たのが町会の少年野球チームの監督だった。「昔は多摩川で泳いだり、神社で遊んだり、自然を教材に仲間とたわむれていたよね」。その触れ合いの大切さを、監督の他に町会育成会長としての立場からも現代の子に伝えている。「IT化で人とのリアルな繋がりが希薄な社会だけど、地域や人との触れ合いの有無は将来の人間形成を左右するはず」。野球の指導でも、「勝つことよりも大切な心と身体の成長」がモットーだ。
○…「笑顔が素敵だった」と結婚した理由を話す夫人とは、今もおしどり夫婦。すでに独立した3人の子は昔から「お父さん子」で、長男は同じ少年野球チームのコーチを務め、次男も実家近くで生活。娘は大学時代に野球部のマネージャーを務めるほどの野球好き。今は4人の孫に囲まれるおじいちゃん。「今年はもう一人増える予定。楽しみ」と心待ちにしている様子だ。
○…7月には同連盟が主催する中原区全体の大会を控える。会場となる丸子多摩川少年野球場が常にきれいに保たれているのも「皆さんのおかげ」。「いずれは中原区のベストナインを選出して、市・県・全国という流れで試合ができるような環境を作ってみたい。それが子どもの夢に繋がればいいよね」。子どもの夢を膨らませること―、それがこれからも変わらぬ夢だ。
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4月26日
4月19日