川崎市 「地域防災計画」見直しへ
東日本大震災を受け、川崎市が地域防災計画の見直しを検討している。現状の計画ではほとんどない津波対策は、見直し案で盛り込まれる見込み。
各自治体で見直し広がる
地域防災計画は国の災害対策基本法に基づいて各自治体が災害対策全般をまとめた計画。地域防災計画を見直す動きは、東日本大震災の想定を超える津波に加え、原発事故による放射性物質が拡散したため、全国の自治体でも広がっている。
神奈川県は専門家を交えた「津波浸水想定検討部会」を設置し、相模湾の沿岸で想定される津波規模を検証する方針。早期に計画を見直そうと、独自の調査に乗り出す自治体もある。
津波対策見直し必要
川崎市では平成18年度に震災対策編修正版をまとめ、平成20年度に風水害対策編修正版、平成21年度に都市災害対策編修正版をまとめた。震災対策編では施設の安全対策や備蓄体制、避難対策、復興体制などの方針が示された。都市災害対策編では地下街や高層建築物の防災計画、交通網の防災計画といった都市の特殊性に原因する災害対策をまとめた。
原子力災害に関しては、川崎区浮島に原子力災害対策特別措置法に適用する研究施設があるため、災害予防対策や災害応急対策が示されている。一方、高潮や台風などの洪水時の対策は示されているが、津波については具体的な対策が盛り込まれていないのが現状だ。
計画の基となる地震については▼川崎市直下型地震▼関東大震災の再来を想定した南関東大地震▼国が南関東地域で想定している東京湾北部地震――の3つを想定。死傷者や建物被害、帰宅困難者の規模などの試算をまとめ、被害を減らすための地震防災戦略を今年3月に取りまとめたばかりだった。
川崎市総務局危機管理室の担当者は「スケジュールや見直し内容は未定だが、地域防災戦略と合わせて見直すことになる。その中で新たに津波対策についても盛り込む必要ある」としている。被害想定についても今後、3つの想定地震と東日本大震災の比較など、学識者らの検証を進めていく方針という。
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4月26日
4月19日