神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中原区版 公開:2024年4月12日 エリアトップへ

江戸時代後期「富士信仰」 5年ぶり重要郷土資料に 市ノ坪の民家で所蔵

文化

公開:2024年4月12日

  • X
  • LINE
  • hatena
(上)木造食行身禄坐像、(下)坐像の由来などが書かれた造像記=市教委提供
(上)木造食行身禄坐像、(下)坐像の由来などが書かれた造像記=市教委提供

 中原区内在住の個人宅で所蔵していた「市ノ坪の富士講関係資料」が3月26日、川崎市文化財の重要郷土資料として指定された。江戸時代後期の現中原区域での富士信仰の様相がわかる学術的な資料で、市の重要郷土資料としての指定は、約5年ぶり10件目。

 今回指定された「市ノ坪の富士講関係資料」は、木造食行身禄(じきぎょうみろく)坐像や、その像の由来等が書かれた造像(ぞうぞう)記といった関連文書22点。講とは、組織をつくって行事を行うグループのことで、富士講は修験者の修行の山として代表的な富士山を信仰するグループを指す。

 木造食行身禄坐像は、三重県出身の商人で富士講の指導者・食行身禄の座る姿を現した木造の彫刻で、高さ29cm、袖張33cm、膝張22・7cmの大きさで、寄せ木造り。造像記には、1811年6月に「真行妙仲(しんぎょうみょうちゅう)」が奉納した「食行身禄像」であることが記されており、「一ノ坪、北加瀬、中丸子、井田」などの村名や地域の行者名などが列記されている。そのほかにも、富士講の伝えや講の活動の資料が含まれており、江戸時代後期の川崎市域の富士信仰のようすがわかるという。

 市文化財の重要郷土資料に指定した川崎市教育委員会の担当者は「暮らし、生活、信仰といったものがうかがい知ることができるのが重要郷土資料。今回の資料は、市ノ坪周辺の地域の人たちの信仰がわかり貴重なもの」と解説する。

区内では初

 今回の指定によって、川崎市の指定文化財は117件に。そのうち有形民俗文化財が対象の重要郷土資料は、2019年7月23日に指定された「遊山慕仙詩碑(ゆうざんぼせんしひ)」(川崎区)以来、約5年ぶり10件目。中原区内の重要郷土資料は今回が初めて。

 同資料は、中原区内在住者が所蔵するもので、その個人から文化財の申請が行われ、市教委が専門家の指導のもとで調査した結果、今回重要郷土資料に指定された。なお、同資料は一般公開は行っておらず、市教委ウェブサイトで詳細が紹介されている。

中原区版のトップニュース最新6

住宅地・商業地とも上昇

公示地価中原区

住宅地・商業地とも上昇

住宅価格は県内トップ

4月26日

飛鳥時代の倉庫復元

橘樹官衙遺跡群

飛鳥時代の倉庫復元

来月 歴史公園オープン

4月26日

使いやすく大幅増補

市おくやみガイドブック

使いやすく大幅増補

手続きの煩雑さ解消に

4月19日

仲間と歌いつなぐエール

能登半島地震復興ソング

仲間と歌いつなぐエール

市長や市議も「個人」で参加

4月19日

アート体験 視覚障害者に

岡本太郎美術館

アート体験 視覚障害者に

CF初挑戦、支援呼び掛け

4月15日

5年ぶり重要郷土資料に

江戸時代後期「富士信仰」

5年ぶり重要郷土資料に

市ノ坪の民家で所蔵

4月12日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月26日0:00更新

  • 4月19日0:00更新

  • 4月12日0:00更新

中原区版のあっとほーむデスク一覧へ

コラム一覧へ

中原区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月30日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook