災害時要援護者避難支援制度 登録者は全体の2割 共助にプライバシーの壁
災害時に自力で避難することが困難な在宅高齢者や障害のある人を地域で支える「災害時要援護者避難支援制度」の登録数が対象総数の2割程度にとどまっていることが分かった。
この制度は、災害時の要援護者支援を目的に、自力で避難することが困難な在宅高齢者や障害のある人を地域で支援するための制度。名簿を作成し、地域での自宅訪問や震災時の安否確認、風水害時の避難支援につなげる。風水害で高齢の犠牲者が多かったことから内閣府が2005年に各自治体に呼びかけ、川崎市では08年に創設された。
市健康福祉局によると、市内の対象者は2万5000人から2万7000人。しかし、今年4月末現在の登録数は5438人と、2割程度。これについて市担当者は「地域の自治会などに個人情報が提供されるため、プライバシーを気にする人もいる」と分析する。
また、登録者数の割合には登録方法も影響する。川崎市では、自ら希望した人の情報を名簿に記載する「手上げ」方式をとる一方、約11万8千人いる対象者の約半数が登録している横浜市では、登録を希望しない人の情報を名簿から除く「手下げ」方式を採用する。
市では今年度、地域の包括支援センターや民生・児童委員の協力も得ながら、制度の周知と登録を呼びかけていく方針。市担当者は「登録にはあくまでも本人の同意が大切。プライバシー保護も考えながら、登録者を増やしたい」としている。
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4月26日
4月19日