60年前の北鎌倉を現在の姿とともに振り返る。そんな写真展が11月5日(土)と6日(日)の2日間、北鎌倉のギャラリー「鎌倉・結」で行われる。「澄んだ空気が写っている・皆吉邦雄アルバムで見る1950年代」と題され、午前9時から午後4時で入場無料。恒例の「匠の市」と同時開催される。企画・制作を担当する島村國治さん(67)は、「何かを感じてもらえたら」と話している。
北鎌倉駅ホームに横須賀線が滑り込む写真をはじめ、列車が通り過ぎる円覚寺前の踏切、また東慶寺境内や大船の常楽寺裏山から写した田園風景、小坂小学校周辺に大船観音、さらに若宮大路など北鎌倉を中心に、大船や鎌倉などの今昔写真が説明文とともに約40点展示される。
古写真と同じ場所での撮影が困難なものは、その場所が分かる地図を併記するなどの工夫もする。
これら1950年代の北鎌倉を撮影したのは、山ノ内で写真館を営んでいた故・皆吉邦雄さん。皆吉さんは、1916(大正5)年北鎌倉生まれ。戦前は、立川航空隊(写真班)に入隊、南方ビルマ方面の戦闘を経験し、復員後に写真館を開業している。愛蔵の「ローライフレックス」を数台使用していたという。
2年前に93歳で他界、閉館するにあたり皆吉さんが撮りためた貴重な写真が42冊のアルバムにまとめられ、鎌倉市に寄贈、市中央図書館に保管されていた。
今回の写真展を担当する島村さんは、今年2月に町内会向けに地元のやぐらなどを紹介する歴史講座を企画。資料集めをする中で、生前に面識のなかった皆吉さんの写真の存在を知ったという。2月の講座でこれらの古写真を紹介したところ、参加者に好評を得た。そのため、島村さんはこれらの貴重な50年代の写真と現在の風景の並列展示を思いつき、今回の写真展開催となった。
島村さんは、現役時代、大手印刷会社のスタジオカメラマンとして活躍した経験を持ち、皆吉さんの作品について「しっかりとした写真が多い」と評価する。約200点をフィルムから複写し、その内、40点ほどに絞る「苦汁の選択」を行う。その過程で「街並みを見ていて、何を変えてはいけないのか、また何を変えて良いのかに気づかされた」とも話している。
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