鎌倉女子大学(市内大船)家政学部管理栄養学科の学生が、山崎製パン株式会社(本社、東京都千代田区)と共同で企画・開発した商品が話題を呼んでいる。両者のコラボレーションは今回が初めて。
山崎製パン(株)が共同開発の企画を立ち上げたのは昨年4月。「地域ならではの製品づくりや管理栄養学を学ぶ学生なら、メーカーでは思いつかない発想があるのでは」とそのねらいを明かす。昨夏頃、大学側に企画を打診。半年間にわたって担当者と学生との間で意見が交わされ、同学科内の4つのゼミごとに商品が考案された。
「紫いも」で紫陽花を表現
浦川由美子教授のゼミが手掛けたのは、同社の人気商品「ランチパック」。サンドイッチを袋状にし、卵やピーナッツ、ツナマヨネーズなどの具材を閉じ込めたもので、種類が豊富なことや手軽に携帯できることなどから人気が高い。
同ゼミの学生は同商品の新しい具材を模索。候補にシチュー、コーンポタージュ、モンブランなど様々な意見が挙がった。話し合いを重ねる中、販売予定時期が6月頃ということや鎌倉に名所が多いことなどから、紫いもを使って紫陽花を表現しようというアイデアが浮上。数回の試作を経て生まれたのが、すりつぶしてペースト状にした紫いもとホイップクリームを具材にした「紫いもあん&ホイップ」だ。
甘くなりすぎないように、あんとホイップクリームの比率にこだわるなど工夫を凝らした。6月末まで関東、東北地方のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売されている。同社担当者によれば、「発売が入学時期や紫陽花の季節と重なったこともあり、売上は順調に推移している」という。
さらに、商品の包装にも学生のアイデアが盛り込まれた。商品キャラクターが、人力車に乗って紫陽花を見物している様子は、鎌倉の一風景を表現したものだ。
学生らは、「一つの商品を開発して市場に出すまで、考えることが多くて驚いた」などと感想を述べた。浦川教授は「販売促進も含めて教えてもらうことができ、良い勉強になったのでは」と話した。
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