清泉女学院音楽部 合唱の国際大会で頂点に 「高校生らしからぬ表現力」
清泉女学院(市内城廻)の音楽部所属の高校生が7月、オーストリアで行われた国際合唱コンクールでグランプリ獲得の快挙を成し遂げた。同校音楽部が海外の大会に出場するのは2010年のイタリア大会以来、今回が2回目。磨きぬかれた「清泉サウンド」は、言葉の壁を越え、本場欧州の人々の心に響いた。
同校音楽部が出場したのはオーストリア第2の都市・グラーツで7月14日から20日まで行われた「第1回欧州国際合唱祭」。30カ国65団体が参加した。
大会への練習を始めたのは、学園祭が終わった5月から。今回のコンクールで4部門に出場した同部は、本番までの短い期間に18曲を完成させる必要があった。予選から本番までで3、4曲を披露する国内大会とは環境が異なり、1日に4回ステージに立つこともあった。顧問の佐藤美紀子教諭は「練習の組み立てが大変だった」と振り返る。
欧州でも高評価
現地入りしてからは食事が合わず体調を崩す生徒が続出したほか、練習場所の確保に苦労。また教会での演奏の際は残響の長さにとまどい、急きょ唱法を変更するなど様々な困難が待ち受けていた。
それでもステージでは堂々たる演奏を披露。浴衣で登場した「民族音楽部門」では多くのフラッシュを浴び、「現代音楽部門」では割れんばかりの拍手と喝さいに包まれた。出場した4部門全てで金賞、現代曲とユース部門で1位となった。最終日には、期間中に優秀な成績を収めた4団体のみが選出される「グランプリ選」に出場し、松下耕作曲の「えっさっさ」などを披露。「高校生とは思えない感性豊かな表現力」と審査員から高評価を受け、「グランプリ」に選ばれた。
部長の阿佐南帆子さんは「他のチームの演奏を聴いて、世界はレベルが高いと感心していたから、まさかと思った。皆で頑張った結果です」とし、「日本では演奏後は拍手のみだけど、グラーツでは終わると『ブラボー』と歓声が上がる。それがうれしかった」と大会の感想を話した。
大会中はモンゴル人の参加者から独特の発声法を教わるなど、言葉の壁を越えた交流を楽しんだ生徒たち。佐藤教諭は「海外での貴重な経験で何かを掴んだ様子。帰ってきてからの顔つきが全然違う」と話した。
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