民間主導で鎌倉の文化的魅力を発信し、世界遺産登録の再挑戦に備えようと「鎌倉文化人会議」が昨年12月に発足した。中心となっているのは市内で文化活動に携わる人たち。今後は市民講座の開催や鎌倉の文化研究を通じて、「市民目線でのまちづくり」を行うという。
同会議の「発起集会」が1月20日、鎌倉生涯学習センターで開かれた。当日は茶道や華道といった伝統芸能の関係者や文筆、音楽など市内で文化事業に携わる人を中心に、約50人が集まった。
代表世話人の一人である高柳英麿さんは「約50年前の御谷騒動で古都保存法が誕生したように、文化人のエネルギーを結集し、再び世界遺産登録を目指す土台を作りたい」と発足の趣旨を説明した。
今後は「鎌倉の文化を尊重し後世へ継ぐための努力をする」ことを目的に、市民講座の開催や中世以降の鎌倉における文化の研究、世界遺産登録へ向けた活動などを行う予定だという。
またこの日は茶道宗徧流家元・山田宗徧さんが「鎌倉が海外からどのように見られているか」と題して講演。鎌倉市名誉市民である作家の永井路子さんを名誉会員とすることも確認された。役職や具体的な活動内容といった詳細は来月の会合で決定する。
「市民目線」で発信
同会議が発足したのは昨年12月。昨年5月にイコモスから不記載勧告を受けたことから、官民合同の鎌倉世界遺産登録推進協議会が「役割を終えた」として11月に解散。その後、世界遺産登録に向けた動きがなかったことから、同協議会に参加していた荒井章さん、香山隆さん、高柳英麿さん、奴田不二夫さんの4人が中心となり、新たな団体の設立を目指してきた。
奴田さんは「世界遺産への登録だけが目的ではないが、よりよいまちづくりを実現する一環として(登録を)視野に入れている。市民の目線で鎌倉独自の魅力を分かりやすくアピールし、世界に認知されるまちにしていきたい」と話した。
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