神奈川県は今夏をめどに、材木座海岸に「津波情報盤」を設置する。県が進める津波対策の一環で、気象庁から警報が発令されるといち早く情報を表示し、サーファーや海水浴客に避難を促す。鎌倉市内では、2013年3月の由比ヶ浜海岸に続き2基目。
津波情報盤は、気象庁から警報が発令された際、海岸利用者や沖合にいるサーファー、漁業者などに向けて電光掲示盤で情報を表示するもの。津波以外にも高潮や波浪、強風、雷などの気象情報を自動で表示するほか、普段は海岸美化やマナー向上の呼びかけなどに利用される。
今回設置されるのは、材木座交番そば、国道134号線沿いの舟揚場に隣接した場所で、鎌倉市内では13年3月の由比ヶ浜海岸に続いて2基目となる。
県内に12基設置
県が情報盤の整備に乗り出したのは2005年。前年のスマトラ島沖地震で甚大な被害が発生したことを受け、津波対策が見直された。特に緊急時の海水浴客らへの情報提供が課題となったことから、湯河原から三浦までの海岸に12基の設置を決定した。
11年の東日本大震災発生後は取り組みを加速させており、すでに11基の整備が終わっている。
県は当初、材木座でも2013年度中の設置を目指していたものの、事前の説明会で住民や漁業者、マリンスポーツ愛好者から「現状の計画では沖に出ると文字が見えづらいのでは」などの声が上がったという。さらに国の指示で津波被害の想定を見直していたことに合わせ、計画の修正を進めてきた。
従来の2倍に
その結果、材木座に設置される情報盤は、縦1・2m、横4・5mと従来のものより約2倍以上の大きさになり、情報が見える距離も160mから250mへと伸びた。またオレンジと赤の回転灯も取り付けられ、1Km先にも緊急を知らせることができるようになったという。
工事は「ゼロ県債」により、2015年度事業を前倒しで発注する。県藤沢土木事務所では、3月末までに施工業者を決定・契約し、地元向け説明会を経て5月初旬に着工。7月末までには完成させたい考え。
同事務所では「湘南の海岸は一年を通じて利用者が多い。情報盤の設置がいざという際の素早い避難につながれば」と話している。
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