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鎌倉版 公開:2017年1月6日 エリアトップへ

新春市長インタビュー 「他市町のごみ受入ない」 広域処理検討の前提強調

政治

公開:2017年1月6日

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質問に答える松尾市長=昨年12月16日、市役所で
質問に答える松尾市長=昨年12月16日、市役所で

 タウンニュース鎌倉編集室では、2017年の年頭にあたり松尾崇市長へのインタビューを行った。1月1日号に続く第2回で、今回は新しい焼却施設建設をはじめとするごみ処理問題や本庁舎の建て替え、北鎌倉駅そばのトンネルの安全対策などについて聞いた。(聞き手は本紙編集長、井方照雄)

 ――ごみ処理問題について伺います。一昨年4月に新しいごみ焼却施設の候補地を「山崎下水道終末処理場未利用地」に決定したと発表しました。現在の状況を教えて下さい。

 「候補地の決定以降、2015年5月に周辺住民、8月に全市対象とした説明会を開催しました。その後、10月に周辺住民の方が『新ごみ焼却施設に反対する住民の会』を結成しましたので、同会の皆さんとの話し合いを続けています。合計7回、そのうち私も2回出席し、話し合いをしているという段階です。現在は皆さんが何を懸念されているのかということをしっかり受け止め、今後どのように進めさせていただけるか、熟議を重ねていく必要があると考えています」

 ――当初、地元との調整期間を3年としていましたが、変わりませんか。

 「15年から17年を周辺住民の皆さんとの対話の期間と考えていますが、『期限を切って強引に進めるのか』と聞かれることもあります。私としては周辺の方々のご理解を大事にして、納得いただく努力を最大限やってから次に進む必要があると考えています」

 ――住民の皆さんの「納得」を判断する基準は。

 「一番は皆さんと市でしっかりとした信頼関係を構築させていただいて、これで進めていいよと言ってもらうことなんですけれども、難しい面もあると思っています。まずは信頼関係を築いていかなくては話し合いを続けていくことができないと思っています」

 ――昨年7月29日には逗子市、葉山町と、ごみ処理に関する広域連携の覚書を締結しました。

 「以前、三浦半島全体での広域の枠組みが検討されましたが、実現しませんでした。しかし基本に戻れば、ごみ処理広域化は有効な手段と考えることができます。今回、葉山町が逗子市に連携を働きかけたことが一つの契機になりましたが、もう一度広域の枠組みで、より効率的で環境負荷が低減できる処理ができないかを考える、そのスタートラインに立てたことに意義があると思っています」

「途中で投げ出すことできない」

3戦出馬へ改めて意欲

 ――鎌倉市の新しいごみ焼却施設で、逗子市や葉山町のごみを受け入れるのでしょうか。

 「『鎌倉の新しい焼却炉では、鎌倉市のごみのみを焼却します』と明確にお伝えし、文章による記録を残しています。鎌倉市としては、それが新たな枠組みに参加する第一の条件です」

本庁舎建て替え

 ――市役所本庁舎の建て替えに関する議論が始まっています。その理由は。

 「東日本大震災、熊本地震で市役所が使えなくなった場合、その後の復旧・復興に大きな影響が出ることが分かっています。現在の本庁舎は津波浸水想定範囲に入っており、建設から40年以上経って老朽化していますので、災害に対応できる市役所にすることが最大の目的です。ただ何百億もかけて豪華な庁舎を作るという財政状況にはありません。これは一つの例ですけれども、民間企業にオフィスビルを建ててもらってそこを市が借りる、上に住宅を載せてその収益で市役所を作る、などの手法があります。こういう税金をなるべく使わない工夫をしていきたいと考えています。まずは3月末までに『現在地での建て替え』『長寿命化』『別の場所への移転』という方向性を決めていきます」

 ――時期の目標は。

 「5年から10年後にできれば、と考えています」

北鎌倉隧道安全対策

 ――北鎌倉駅そばの素掘りトンネルの安全対策について、現状を教えて下さい。

 「隧道の通行の安全と尾根の文化財的価値との両立を図るため、検討委員会を立ち上げて、11月10日に第1回目を行いました。このなかで仮設での安全対策が了承され、文化庁にも確認をしてもらいました。現在は関係者と調整中ですが、なかなか進んでいないのが現状です。近隣住民の皆さんにとって一番の願いはあそこを通してくれということで、まずは大船側の改札を仮改札口として開設することで調整しています。トンネル工事に向けては、検討委員会の2回目が1月、3回目を3月に予定していますので、そこで結論を出して18年度末の完成を目指して取り組んでいきます」

御成小講堂・旧図書館の保存と活用について

 ――御成小学校旧講堂と旧図書館の保存と活用について教えて下さい。

 「御成小学校の旧講堂については学校施設として活用していく方針としました。現在、教室が不足していますので、講堂部分を二分割し、一方に教室を二つ作り、もう一方を多目的室として使えるようにと考えています。『保存活用計画』を17年3月に策定、その後具体的な設計・工事に入る予定です。登録有形文化財を目指した手続きはすでに進めています。また旧図書館については『子どもの家・子ども会館』として18年度には完成供用をめざし、基本設計を行っているところです。まだ手続きはしていませんが、こちらも登録有形文化財を目指します」

 ――旧図書館については耐震性の不足が明らかになりました。計画に影響は。

 「市民団体から出された耐震診断とその後、市が実施したものにかい離があり、余計にお金がかかるのではないかと指摘がありましたけれども、予定より大幅に費用がかかることにならずに進められそうです。子どもたちが使う施設ですから、しっかりと安全性を確保していきます」

高齢者施策

 ――鎌倉市の高齢化率は県内で3番目の高さです。今後の施策は。

 「高齢者が安心して住み続けられる仕組みづくりとして、地域包括ケアシステムの構築の一環として生活支援コーディネーターを地域に配置し、繋がりづくりを進めます。また認知症地域支援推進員を各包括支援センターに配置し、より手厚い目配り気配りができる体制を作っていきます」

 ――「みらいふる鎌倉」(鎌倉市老人クラブ連合会)や「シルバー人材センター」のような高齢者団体が活躍しています。活動をどのように評価しますか。

 「高齢者の皆さんがいきいきと活動している姿を見せて下さることは、我々の希望になりますし、地域の活性化にもつながります。今後はそのかけがえのない知識、経験をさらに生かしていただきたく、多世代交流を進めたいと考えています。例えば、『放課後子ども教室』への協力です。現在、稲村ヶ崎小学校と今泉小学校で実施していますが、これを地域の方のご協力をいただき、全市に広げたいと考えています」

3選出馬への意欲

 ――10月で任期満了を迎えます。すでに3選出馬に向け意欲を表明されていますが、正式にはいつごろ表明したいとお考えですか。

 「私としてはこれまでに様々な種まきをしてまだ実現に至っていない課題もありますので、途中で投げ出すことはできないという思いです。ただ私だけがやりたいと思ってできることではありません。周囲の理解が得られれば、正式に表明したいと思います」

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