市内山ノ内の浄智寺にこのほど公衆トイレが設置され、先月末から利用が始まった。市が交付する「鎌倉市公衆便所建設工事費等補助金」を活用した初の施設となる。所管する市観光商工課は「国内外からの観光客増加に対応するため、民間の力も借りながらトイレ環境の整備を進めていきたい」と話している。
公衆トイレは同寺総門をくぐって右手にある駐車場の入口に設置された。
多機能トイレを備えたユニバーサルデザインで、周囲の景観に合わせ落ち着いた色にしたという。
鎌倉五山第四位の古刹として知られるほか、葛原岡・大仏ハイキングコースの入口に位置し、多くの観光客が訪れる同寺。境内のトイレは檀家や寺関係者の利用を想定したもので、男女それぞれ一基ずつと手狭な状況が続いていたという。朝比奈惠温住職は「何か対策をしなければと考えていた」と振り返る。
そこで同寺が活用したのが、2015年度に市が制定した「鎌倉市公衆便所建設工事費等補助金」。これは公衆トイレを設置する民間(個人または法人)に対し金銭的な補助を行うというもので、市と同寺は昨年4月から協議を進めてきた。
今年1月中旬に建物や配管などの工事費用約3千万円の交付が決定し、工事が1月末に着工。3月15日に竣工を迎えた。朝比奈住職は「近くにお越しの際には、ぜひ利用してほしい」と呼びかけている。
五輪向け整備加速
東京五輪に伴い見込まれる観光客増加に対応するため、市は2020年度までに1年間で2件のペースで公衆トイレの整備を進めたい考え。今年度は建長寺が同補助金の活用を計画しているという。
市観光商工課は「トイレ整備は大きな課題。今後とも、積極的に取り組んでいきたい」と話している。
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