市民病院 メタボ対策で「地元優先枠」 検査利用の促進ねらう
市立横浜市民病院(鬼頭文彦院長・保土ケ谷区)が6月から、同院で実施している「血管スクリーニング検査」について、受診の円滑化を図る「地元優先枠」を設けた。今後は地域医療機関とも連携を図り、本人の自覚がないまま重症化して糖尿病などを引き起こすとされる「メタボリックシンドローム」の早期発見を目指す。
横浜市では、国民健康保険における「医科総医療費」に占める生活習慣病の医療費が約3割を占めており、特に近年は「糖尿病」の医療費の伸びが顕著となっている。 さらに2008年に義務化された「メタボ検診」に対する市民意識も向上。こうした流れを受け同院では、抹消血管(頸動脈、下肢動脈)の疾患に対して、本人にも自覚がない段階で発見しようというスクリーニング検査を昨年からスタート。外来希望者や入院患者を対象に年間100人以上の検査を行ってきた。
この検査は「心電図」「胸部X線」「血圧脈波検査」「エコー検査(下肢動脈、頸動脈)」がセットとなっており費用は5000円程度(3割負担)。担当者によると「これまで検査を受けた人の約6割に何らかの狭窄(きょうさく=血管の中にコレステロールなどが詰まり流れが悪くなる状態)や病変(動脈硬化など)が見つかっている」という。
同院では明らかに異常と思われる症状のある人は、通常の検査で対応している事から、この「6割」は本人が異常に気付いていないケースが大半。こうした「無自覚メタボ予備軍」は相当数にのぼるとみられている。
開業医と連携
そこで同院は6月から、検査利用の促進による早期発見をめざし「地元優先枠」を設定。市内の開業医などからの紹介や各機関から申し出があった場合、毎週水曜日にこの共同利用専用枠を使って優先的に検査を受けられるようにした。また各種問合せについても「患者総合相談室」(【電話】045・341・7224)で受け付ける。
市病院経営局では「1人に1時間弱の検査時間を要する上、専属スタッフがいない現状では(優先枠でも)1日3〜4人の受け入れが限度だが、検査技師の人員調整などでなるべく柔軟に対応していくので、ぜひ受診してもらいたい」と、早期発見に向けた呼びかけを行っている。
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