国土交通省が7月31日に発表した横浜市内分譲マンション着工戸数データによると、2013年上半期(1〜6月期)は前年同期比82・3%増の4342戸だった。地域別では交通の便が良い市中心部のほか、一部工業地帯や郊外地域での着工が大幅に増えた。
国交省は毎月、市町村別に建設申請のあった新設着工戸数を発表している。横浜市内では、一戸建てやアパートなど共同住宅の着工戸数も増えているが、上半期で特に伸びたのが、分譲マンションだった。
不動産経済研究所では、全国的に見られる住宅ローンの低金利、消費税増税前の駆け込み需要が横浜にも影響した結果と分析。「開発業者は消費者ニーズを見込み、マンション供給を活発に進めている」と話す。
工業、郊外地域が急伸
13年上半期の着工戸数トップは地元企業などによる開発が進む鶴見区。前年同期比で最も増えたのは、東横線の副都心線乗り入れで利便性が増した中心部の中区。都内へのアクセスが良い田園都市沿線・北部郊外地域の青葉区、工業地帯を抱える磯子区と続く。
不動産関係者らは中区の増加要因を「中華街や山下公園周辺で小規模マンションが増加。まだ子どもがいない共働き夫婦の需要がある」と話す。また、磯子区や鶴見区では、工場や社宅が撤退した土地に大規模な開発が進む。人気の郊外地域では需要が供給を大幅に上回る。青葉区の不動産業者は「物件があれば売れる状態。今は物件不足で売れる物がない」と嘆く。
相鉄沿線の開発進むか
大手の野村不動産(株)は6月、横浜駅近くに神奈川事業部を開設した。「横浜を中心に県内や町田で年間1000戸のマンション建設を狙っていく」と意気込む。
不動産経済研究所は、「鉄道の動向とマンション供給は連動する。数年後に東横線乗り入れが予定されている相鉄線沿線の着工が、今後増えていくのでは」と推測する。また、郊外地や工業地帯の一部では、業者間の用地取得合戦が過熱するとみている。
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