7年の月日が経っても「忘れない」――。さつきが丘にある星槎大学横浜事務局で3月11日、東日本大震災で被害を受けた宮城県亘理郡山元町と中継で結び、学生などに被災地の現状を伝える講座が行われた。
講座は、被災地の現状を知ることが少なくなってきたことを受けて行われたもの。「今後私たちができること、次の世代に伝えていかなければならないこと」を考える機会にしようと、昨年から実施している。
発起人は震災直後から現地でボランティアを行ってきた同大の林直樹准教授。山元町は林准教授の教え子が町おこしで活動している縁もあり、中継先に選ばれた。山元町は福島県との県境に位置し、東側に太平洋を一望する平野が広がる。震災の津波で総面積の37・2%が浸水し、死者637人と甚大な被害を受けた。
山元町から中継した林准教授は、行政が大規模農地の貸し出しを行うことになっても、農業の担い手が戻って来ない現状を説明。そのほか、林准教授の教え子で、現地でトマトなど農産物を栽培している横野壮俊(たけとし)さんは「なかなか元通りにするのは難しく、個人でできることは限られている。地道にがんばるだけ」と率直に思いを語った。
講座の参加者は「7年経過したが、1年1年が重かったのでは」と被災地に思いをはせ、林准教授は「大切なのは外の人間が忘れずにいること。これを機会に、被災地のことを思い出してもらえれば」と話していた。
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