東急電鉄株式会社が1月23日、多様な移動サービスの拡充を目指す「郊外型MaaS(マース)実証実験」をスタートさせた。たまプラーザ駅北側地区を中心に通勤バスやオンデマンドバスを実験運行させるなどしており、応募・当選した住民計90人が実験に参加している。
「MaaS」とはモビリティ・アズ・ア・サービスの略称で利用者の目的や嗜好に応じて最適な移動手段を提示するサービスのこと。郊外のライフスタイルの変化に対応して移動手段の幅を広げることで、移動時の不安や不便さをなくし、外出の促進や新たなコミュニティの形成促進を目指す。
今回開始されたのは、たまプラーザ駅〜渋谷駅付近間を結ぶ「ハイグレード通勤バス」と、スマートフォンで乗車予約ができる「オンデマンドバス」、講習を受けた上で運転できる小型電気自動車「パーソナルモビリティ」の3つの実験。
通勤バスは朝のラッシュ時に運行し、Wi-Fiが搭載された車内で快適に仕事ができるのが特徴。オンデマンドバスはワンボックスカーで利用者が指定した場所から乗車できる。車の運転が難しい人などの地域内の移動手段になることがメリット。スマートフォンの乗車予約システムは(株)未来シェアが協力した。
一方パーソナルモビリティはスマートフォンで利用予約し、運転できるサービス。坂道や狭い路地も走行でき、地域内を気軽に移動したい人に利点があるという。このほかマンション住人同士で車を貸し出し、利用するカーシェアリング事業の検証も今後行う予定だ。
実験は同社と横浜市が推し進める「次世代郊外まちづくり」の一環。既存のまちの持続・再生を目的に住民・行政・大学・民間が地域課題の解決を目指す取り組みで、今回も地域住民との意見交換が行われたほか、調査・分析には東京都市大学の研究室が協力している。
担当する市建築局は「高齢者をはじめとした外出・健康維持の観点からも地域の小さな移動の整備は今後大事になってくるので行政としても期待している」としている。
「移動の不安・不便さ解消を」
実証実験のきっかけは、2017年に実施した住民アンケートや地域住民との意見交換での声だった。坂道や階段、段差等が外出への不安や不便さにつながっていることや、どこでも乗り降りできる公共交通手段のニーズが高いことが改めて分かったという。
そこで、地域の移動手段の拡充を検討するため実証実験を行おうと昨年4月から本格的な検討を開始。協力企業や技術の進歩など、実験を行う条件が整い、実施に至った。
同社の担当者は「住民の方々や行政と協力し、便利なモビリティサービスを提供できるよう検討していきたい」と話す。
実験は3月までに終了予定。3月から4月に実験参加者にアンケート等を行い、調査結果をまとめた後、今後の事業展開について検討するという。
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